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今までに会った天才・その1。♪続き♪

S君が就職してからしばらくしたある日、彼は俺のライブをアポ無しで見に来ていました。
今だから話したいことがあると言うので打ち上げに来てもらうことになりまた。
彼がプロドラマーになれないと断言していた理由を話し始めました。

一言で言うとオリジナリティーの欠如。

もう1度書いておきますが、誰でも彼のプレイを聴けば完全に実力派のプロの器だと言っていました。それは現役の著名なプロドラマー然りです。
それほど若年にしてテクニックは絶句するほど素晴らしく、それが災いして本質を見抜ける人間に出会えなかったのでしょう。だから誰1人として気付かなかったのかもしれません。
彼曰く、何か参考になるリズムがあったりすればそこから発展させることはできるし聴いている側からすればあまりに素晴らしいので「おおっ!」と思ってしまう。
でもそれはドラムを演奏しているのであって、「曲を演奏しているのではない」と。
彼は1度もバンドとしての一体感は感じたことがないと目に涙をしていました。
あまりに上手過ぎるが故の悲劇。リズムの波が頭の中に怒涛の如く押し寄せてきて、制御できないといった感じでしょうか。
バンドとして全くの0から曲を作り始めた場合、S君は全く良い曲が作れないと言っていました。
周りの音を聴く、押し引きの判断、空間の察知などがいまいちよく掴めなかったと。
その辺りで俺を参考にしていたんだと。
言われれば、あぁ、そうかなと思えました。30分でも1時間でも平気でドラムソロを延々叩き続ける男です。バンドとして曲をやるより1人で舞台に上がってドラムのみでやっていたほうがS君には合っているのかもと思いました。
結局何をやっても本人にとってはコピーから少しいじったものをやっているだけで、何が自分というのはわからない。しかし演奏が全てにおいて高度で素晴らしいから周りはわからない。
こんな話は俺は初めてでしたね。

S君は曲を聴いてそれを即座に体で再生する天才!テリーボジオであれコージーであれドラムを演奏するのならニュアンスまでも技術的には全く問題ない。
しかし、周りの音や様子に神経を削って曲を演奏するとなるとそれは全く違う要素なのだと知りました。
俺はまだ信じられなくて、その後S君とバンドメンバー引き連れてスタジオに行きました。
もう1回0から曲を作ってみようと。
結果はS君の言った通りでした、俺は呆気に取られたというかなぜ?なぜ?といった感じでした。
曲にリンクして叩くというのもまた違う才能。

そのスタジオの休憩中、待合室にテレビが設置されており、村上ポンタ氏が独自のニュアンスで有名な曲を演奏しておられました。
村上ポンタ氏の演奏終了5分後にはS君はそこからまた更に発展させて叩いていました。
はっきり言って俺なんかには何をしているのかも全く掴めないほどです。S君が即興で適当に叩いたワンフレーズ、あれをコピーするだけでも半年かかりそうなのもありました。
そんなS君の苦悩を知った後、帰宅して俺は考えました。
ドラムをどう叩くのか?というよりもなぜそう叩くのか?ということを常にクリアな状態にしていることがとても大切なんだなと。

今でも半年に1度くらい、まる3日ほどS君とスタジオにこもったりしています。
半年間溜めた感性と技術の融合を目指して曲を作っているわけです。
その度に考えます、もしあのような才能を俺が持っていたら今とは完全に180度違う人生だっただろうなと。音楽に対する価値観が何もかも違ったんだなと。
S君はドラムそのものに道を見い出し、俺はバンドのドラムであることに道を見い出し、それがこれほどの違いを生んだんだって。次元が違い過ぎるけど。

ドラムって奥深いと思う、4WAYと言われるように基本的に両手両足を使って演奏するものだけど、ほとんどのドラマーがある一定の規則に従って動かしている。
当然といえば当然ですね、リズムを刻むのだから一定であるということは。
だいたいの人が3小節ないし4小節の延長で完結するリズム感を持っている。S君の場合はその概念が全くない。4小節1括りがスタンダードであるのなら、20小節1括りであろうが30小節1括りであろうが全く関係ない。
試しにクリックで左手ゴースト盛りだくさんのシャッフル・ブギ、右手13ビート、左足10ビート、右足8分の中の3連を打ち込んでみて聞かせたら即座に1周してくるまでケロっとやってました。寒気がしますね。
でもS君から言わせれば、聴いたものが全てであり後はそれに従って再現し、発展させるのみだと。

S君はその方面では俺が知る中で唯一の天才です、生涯忘れることはありませんね。
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